刺繍の刺し始めと刺し終わりの糸始末、どうしていますか?
様々な方法が紹介されており、本や作家さんによってもその手法が異なります。
刺繍をした布の用途によって、それぞれ適した方法があるので、ここではひとつずつ紹介していきます!
刺繍の刺しはじめ 糸始末の方法
「玉結び」をするかしないかで大きく分けられます。
ハンカチなどの裏が見える刺繍では、玉結びを残さない方法がきれいに仕上がります。
鞄やポーチ、衣服などの日常使いのモノは、玉結びを残して絶対に刺繍糸が抜けないようにするのも◎。
刺繍した布の裏に別布が来る場合は、玉結びが残っても、さほど気になりません。
※玉結びをしなくても、きちんと処理がしてあれば、糸が抜けることは殆どありません。
額装などにする場合は、刺繍糸が解ける心配は不要&なるべくフラットにしたいので、玉結びが残らない糸始末が向いています。
それでは、ひとつずつ糸始末の方法を見ていきましょう。
玉結びを残す方法
一般的な縫い物と同じ方法です。
最初に玉結びを作り、布の裏から針を刺し縫い進めます。裏側に玉結びが残る方法です。
刺繍糸が抜けてしまう心配がいらないのと、最初に糸端を短めに切っておくと途中で他の糸に絡まらないので、初心者さんやお子様の刺繍におすすめです。
更に、小さい糸目で数針返し縫いをしておくと、強度が増します。万が一、玉結びが解けても、糸が抜ける心配がなくなります。
玉結びで始め、途中で玉結びを切り落とす方法
最初に玉結びを作り、布の表から針を刺します。
後からステッチで隠れるように、刺繍の進行方向から刺し始めるのがポイント。
数針返し縫いをしてから(※表にあまり縫い目が出ないように)、ステッチを開始します。
玉結びの場所に来たら、玉結びは切り落とします。
※水色のガイドラインに刺繍を進める場合の刺し方です↑
直線のステッチの場合は、最初の返し縫いがステッチで隠れるようにライン上からはみ出さないように注意します。
サテンステッチなど平面の場合は、返し縫いの場所や幅は適当でも大丈夫ですね。
裏側に糸端が出ないので、とても美しく仕上がります。ハンカチなどにおすすめの方法です。
ステッチの糸目に巻き付ける方法
刺し始めの刺繍糸の端を15cm程度残し、裏から刺しはじめます。
一通りステッチを進めたら、ステッチした糸目の裏側に始めの糸端を巻き付けます。
巻き付ける方法には2種類あります。
①ぐるぐると巻き付ける方法と、②行ったり来たりする方法。
②の場合は最後に少し戻ると、糸が抜けにくくなります。
サテンステッチの場合は、裏側で布を拾わないように数回往復します。
注意したいのは、最初に残しておいた糸端を、ステッチに巻き込まないようにすること。
刺繍枠に絡ませて退避しておくなど、工夫をすると良いですね。
■最初に糸を長めに残しておく必要があるので、ある程度の糸の長さが必要
■一色のステッチが短い場合、糸を巻きつける場所がない
ことも覚えておきましょう。
横着バージョン
玉結びは残したくないけど、最初に糸始末を済ませておきたい人におすすめします。
私はいつもこの方法です。
裏から玉結びをしないで刺し始めます。
■サテンステッチなど平面を埋める場合は、一回クロス(☓)に刺繍
■直線の場合は進行方向で2~3回返し縫い
これだけで、糸を引っ張っても抜けることはありません。
裏側で余計な糸端を切り落とし、ステッチを始めます。
(私は糸端を切り落とす必要の無いぐらいしか糸端を残しません)
刺繍糸を節約したい人にオススメの方法です。
番外編 輪にして通す
偶数本取りの刺繍の場合は、輪を作って縫い始めると、スマートです。
2本取りのステッチの場合は、糸1本を使います。
一番処理が楽で美しいですが、私は糸の長さを全て揃えて切ってい待っているので(三つ編み収納)、短い範囲のステッチのときにしか使えない方法です(泣)
刺繍の刺し終わり 糸始末の方法
ステッチの終わりの糸始末は、刺し始めよりバリエーションが少ないです。
玉結びをするか、裏で巻きつけるかの2通りです。
刺し始め同様、
■刺繍の裏が見えない場合は玉結びでも◎
■刺繍の裏が見える場合やボリュームを出さずにフラットにしたい場合は巻き付け
がオススメです。
玉結びを残す方法
普通の縫い物同様、ステッチが終わったら糸を布の裏に出し、玉結びをします。
ステッチの糸目に巻き付ける方法
ステッチが終了したら、もしくは糸の残りが少なくなり継ぎ足す必要が出たら、糸を布裏に出し、ステッチした糸目の裏側に残りの糸を巻き付けます。
巻き付ける方法には2種類あります。
①ぐるぐると巻き付ける方法と、②行ったり来たりする方法。
②の場合は最後に少し戻ると、糸が抜けにくくなります。
サテンステッチの場合は、裏側で布を拾わないように数回往復します。
巻きつける場合の縫い始めと同じ処理ですね。
糸始末は、糸が抜けないことが一番大切。
フラットに美しく仕上げたいか、丈夫に仕上げた以下によって、用途にあった方法を選択します。
皆様の刺繍のお役に立てますように!